ティーコジーの役目は熱を逃がさないことで、紅茶の旨味成分をゆっくりと抽出します。紅茶葉は大きさ、産地により抽出時間が異なってきます。例えばダージリンティーですと4~5分蒸らして頂きますとゆっくりと茶葉が開き、最初に色が浸出し、それから香りが立ち上り、時間の経過と共に味が抽出されてきます。
紅茶は発酵茶ですから100度摂氏の力のあるお湯を必要とします。その為出来る限り温度が下がらないように保温帽(ティーコジー)を被せて温度の低下を防ぐ役目を担います。折角新鮮で上質な紅茶をご使用いただいても温度管理が出来ていないと、紅茶の持つ特性が十分に発揮されず、非常にもったいないこととなります。
暑いインドでも必ずティーコジーを被せてサービスされます。ファイブスターホテルのルームサービスやモーニングティーなども銀製のポットセットを大きなトレーに載せ、当然冷めないようにティーコジーが被せてあります。ミルクも冷めないように保温帽が被せてあります。
さして上質の紅茶を使用していないのですが、ここまで配慮してくれていると美味しくいただけます。ま、水が硬質ですからアッサムティーをベースにブレンドしているようですが、熱いうちに飲むと結構なお味です。これが冷えてきますと醤油と見間違うほど黒ずんできますから、お熱いうちにお飲みください。
家庭でサービスされる紅茶は冷める前にサーヴァントが新しい紅茶を持ってきますので、当初は分からなかったのですが、ホテルでゆっくりと本を読みながら飲んでいますと、黒ずんだ色にびっくりしたことが思い出されます。日本の軟水ですとクリームダウン現象は白濁するのですが、硬水は濃く濁というのか、黑濁?に近い現象を生じます。
ティーコジーはシルク製・コットン製といろいろありますが、気分やお客様にあわせ色々アレンジするのもティーパーテイの楽しみ方でもあります。